しびれ

しびれ

日本人は「しびれる」と言う表現をよく使います。しかしその意味するところは人によって様々です。軽い痛みを表現する時に「しびれる」という人もいます。鈍痛や、重い感じや、だるい感じを表す時に「しびれる」と言う人もいます。

本来しびれとは正座をしたあとの下肢のピリピリした違和感のあの感じをいい、これは神経が圧迫されて神経に血が流れなくなったり、血流が再開した状況で起こる異常感覚です。

頚椎症性神経根症
  • 頚椎椎間板ヘルニア

    頚のページでも解説しましたが、頚部で神経が圧迫された部位によって、肩や上腕や前腕や手などにしびれが出ます。

肘部管症候群

肘の内側をぶつけて小指にしびれを感じたことはありませんか?

このときぶつけた神経が尺骨神経(しゃっこつしんけい)です。尺骨神経は肘の内側の皮膚のすぐ下を走っています。この神経は骨の浅い溝の中にあるのですが、日本人にはこの溝が浅く肘を深く曲げると神経が溝からはみ出してしまう人が多いといわれます。(神経の脱臼と言います)

肘の屈伸を繰り返し行うと、神経への機械的刺激によって、尺骨神経が麻痺して小指にしびれが出現します。治療はビタミンB12の内服や神経傷害部へのレーザー照射などを行います。麻痺がひどくなると手背の筋肉が痩せたり、小指が伸ばせなくなったりします。この場合は手術の適応です。

手根管症候群

手の親指、人差し指、中指とそれにつながる手のひらにしびれが出現します。

手首での正中神経(せいちゅうしんけい)の圧迫が原因です。手首の掌側を軽く叩くと指先にしびれが走ります。また、手首を掌側に曲げてしばらくすると指がしびれてきます。夜、指先がチクチク痛くなることがあります。
神経の通り道である手根管の底面は骨で、天井は靭帯が蓋をしています。何らかの原因でこの靭帯が厚みを増し、神経を圧迫していることが多く、レントゲンで骨の異常の無いか超音波で靭帯の肥厚の有無と神経の太さを調べます。

ビタミンB12の内服と神経圧迫部へのレーザー照射を行います。軽快しない場合、神経のまわりに生理食塩水を注射するハイドロリリースを行います。ひどくなると母指球が痩せてきます。この場合は手術が必要です。

外側大腿皮神経障害

太ももの前外側がしびれます。腰骨(腸骨)のベルトの位置での神経の圧迫が原因で、きついコルセットやガードルなどの着用によることが多いです。

総腓骨神経障害

下腿外側から足背にかけてのしびれは、膝外側後方にある骨の突起(腓骨頭と言います)の下を走っている総腓骨神経の圧迫によって生じます。長い時間の正坐や睡眠薬を服用しての深い眠りなどで同部が圧迫されることによって発症します。ギブスで膝を固定している場合にも起こることがあります。圧迫が強い場合は足の親指を上に反らせなくなったり、足首を反らせなくなったりします。ビタミンB12の内服で神経の回復を早め、神経の圧迫部位にレーザーを照射します。

PAGE TOP