首の痛み

首の痛み

頚椎椎間板ヘルニア

椎間板は背骨の骨と骨との間にある軟骨で出来たクッションの役割を果たすものです。中央に髄核というグミ状のものが入っておりその周囲を線維輪という硬い組織が包んでいます。この繊維輪に何らかの理由で亀裂が入り髄核が飛び出して神経を圧迫したものが椎間板ヘルニアです。(ヘルニアとは突出するという意味です。)

ヘルニアの好発部位は頚椎と腰椎ですが、頚椎の場合、後頚部から肩甲骨と背骨の間、肩から上腕(二の腕)にかけての痛みや、手のしびれなどが起こります。上を向いたり痛い側に頚を傾けたりすると痛みが増強します。レントゲンでは骨と骨との間隔が狭くなっている場合がありますがMRIで診断確定します。消炎鎮痛剤や神経の回復を早めるビタミンB12の内服と頚椎牽引を行います。頚椎カラー装着による頚部の安静も重要です。

これらの治療でも痛みがとれない場合は、神経障害性疼痛治療薬やステロイド剤の内服が有効です。通常はこれで軽快しますが、無効な場合は、星状神経節ブロックや頚部硬膜外ブロックなどのブロック注射が必要です。この場合はペインクリニックを紹介します。

頚椎症(頚椎症性神経根症)

主に加齢が原因で頚の骨にトゲが出来て、これが神経を圧迫して症状をだします。この場合の神経は脊髄神経の本幹ではなく、そこから出た神経根という枝が圧迫された場合を言います。加齢といっても30代から50代に多く、後頚部、肩、肩甲骨と背骨の間や上腕(二の腕)の外側に鈍痛から耐え難いほどの鋭い痛みまで様々な痛みが起こり、腕や手がしびれます。頚椎椎間板ヘルニアの場合と同じく上を向いたり、しびれのある側に頚を傾けると激痛が走ります。痛みのために臥床が困難となり、ソファに寄りかかって仮眠を取るだけになり睡眠が障害されます。治療はヘルニアの場合と同じです。頚椎カラーによる安静により、2週間くらいの急性期を過ぎると痛みは少しずつ軽くなることが多いですが、痛みの強い時はステロイド剤を内服します。

頚髄症(頚椎症性脊髄症)

上の頚椎症と同じですが、こちらは脊髄神経の本幹が圧迫された場合です。ボタンが上手に掛けられなくなった、おはしを使うのが下手になった、指が思うように動かないために細かい作業が出来なくなったなどの症状が出ます。ひどくなると、下肢にも症状が拡がり、足が突っ張って上手く歩けなくなります。下肢にも症状が出てきた場合には手術が必要です。

ねちがえ

朝、あるいは昼より、痛みのために首が動かなくなります。頚部の筋肉の捻挫や炎症によるものと考えられています。無理に動かそうとしないでください。ストレッチやマッサージは禁物です。頚を安静にして、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤の内服と湿布、温熱療法で筋肉の緊張をほぐしてあげます。4~5日から1週間で楽になってきます。夜、入浴すると楽になることが多いですが、朝になると又痛むのが特徴です。同様の痛みが背中におこることもあります。

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